たらいち邸

門松を作りました

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門松を作りました

門松を作りました

2025/12/25

門松を作りました

 

― 年神様を迎える、日本の暮らしの知恵 ―

 

年の瀬を迎え、たらいち邸でも新年の準備が少しずつ始まり、そのひとつとして、今年も門松を手作りしました

 

門松というと、お正月の飾りとして目にすることは多いものの、

「なぜ飾るのか」「どんな意味があるのか」を改めて考える機会は、案外少ないかもしれません。

 

今回、手を動かしながら門松を作る中で、

日本の暮らしの中に息づいてきた民俗的な意味をあらためて感じる時間になりました。

 

 

門松は「飾り」ではなく「依代(よりしろ)」

 

門松は、単なる正月飾りではありません。
民俗学の視点では、門松は**年神様を迎えるための目印であり、依代(神が降り立つ場所)**と考えられてきました。

 

年神様とは、新しい年の豊穣や家内安全をもたらす存在で、正月には山から里へ降りてくると信じられていました。

その年神様が迷わず家を訪れるよう、門や玄関先に立てられたのが門松です。

 

つまり門松は、「新しい年を迎える準備が整いました」という、人から神への静かな合図でもあったのです。

 

 

竹と松に込められた意味

 

門松に使われる素材にも、はっきりとした意味があります。

 

竹は、まっすぐ天に向かって伸びる姿から、生命力や成長の象徴とされてきました。

また、節を重ねながら成長することから、代々続く命や家系を重ねる意味も込められています。

 

一方、松は一年を通して青々とした葉を保つことから、不老長寿や永続性の象徴とされます。

冬の厳しい寒さの中でも変わらない姿は、「変わらず在り続けるもの」への信頼そのものです。

こうした自然の性質をそのまま意味として受け取り、暮らしの中に取り入れてきたところに、日本の民俗文化の特徴があります。

 

 

手作りすることで見えてくる「迎える心」

 

毎回門松は、シンプルに作っています。
身近にある竹や松を使い、宿の佇まいに合うよう、素朴な形を意識しました。

 

竹を切り、松をさして、全体のバランスを整える。
作業自体は単純ですが、自然素材を相手にすると、思い通りにいかないこともあります。

少し傾いたり、思った以上に重かったり。けれど、そうした不揃いさこそが、手作りの門松らしさでもあります。

 

民俗行事は、本来「きれいに整えること」よりも、「迎える気持ち」を大切にしてきました。

完璧でなくても、手を動かし、心を込める。

その行為そのものが、新しい年への区切りになるのだと思います。

 

 

古民家と門松の相性

 

古民家は、もともと年中行事や季節のしつらえと深く結びついた建物です。
正月、盆、祭りといった節目の時間が、空間の使われ方や飾りによって自然と可視化されてきました。

 

玄関先に門松を置くと、建物全体がふっと「正月の顔」になるように感じられます。

派手な演出はなくても、年の切り替わりが、空間の空気として伝わってくる。

その感覚は、古民家ならではのものかもしれません。

 

 

新しい年を迎えるということ

 

門松を作ることは、単に正月の準備をするというよりも、
一年の始まりに、いったん立ち止まり、暮らしを整える行為なのだと思います。

 

年神様を迎えるという考え方は、現代では信仰として意識されることは少なくなりました。

それでも、信仰という行為は形を変えて「新しい年を丁寧に迎えたい」という気持ちとして

今も私たちの中に静かに残っているのかもしれませんね。

 

たらいち邸では、こうした昔ながらのしつらえを、無理のない形で大切にしています。

門松もそのひとつです。

新しい一年が、穏やかで、実りのある年になりますように。


そんな願いを込めて立てた門松が、訪れる方にとっても、季節を感じる小さなきっかけになれば嬉しいです。

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たらいち邸
520-1831
滋賀県高島市マキノ町上開田145-1
電話番号 : 080-8182-4355


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